国内2例目!インテグラルクラゲを発見をしました

2020年から2024年に加茂水族館が実施したクラゲ調査でインテグラルクラゲを発見しました。種類の分からない稚クラゲを成体まで育成し、黒潮生物研究所と共同で形態の特徴・遺伝解析を行うことでインテグラルクラゲであることが判明しました。これは国内2例目の発見で、このことに関して論文が掲載されました。

 

掲載雑誌

日本生物地理学会会報第80号

 

掲載論文

 長崎県で採集された国内2 例目のインテグラルクラゲ Orchistoma integrale(ヒドロ虫綱, 軟クラゲ目)

著者

玉田亮太(1*)・戸篠 祥(2)・村井貴史(1)・奥泉和也(1)

(1) 鶴岡市立加茂水族館

(2) 黒潮生物研究所

 

概要

インテグラルクラゲは2025年に和歌山で発見された標本を基に新種として報告されました。加茂水族館では全国各地でクラゲ調査を行なっていてその際に種類が分からない稚クラゲを発見しました。そのクラゲを成体まで育成し、形態的特徴を見ていき、合わせて黒潮生物研究所の戸篠氏に遺伝子解析を依頼し本種がインテグラルクラゲであることが明らかになりました。本研究では形態的特徴や遺伝子情報や飼育条件について記載しました。長崎県での発見は2例目です。この発見より西日本に生息している可能性が出てきました。今後も当館で行なっている調査を継続し、生息海域やまだ分かっていない生活史を明らかにしていきます。

 

インテグラルクラゲについて

2018年に和歌山県で発見されたクラゲをもとに、2025年2月に新種として報告されました。傘は半球形で口柄は短くしわ状、名前の由来にもなった積分記号のインテグラル (∫)の形状に似たカール状の生殖腺が特徴的なクラゲです。まだ世界中のどの海域に生息しているか分かっておらず、生活史も解明されていません。

 

今後の展望

加茂水族館では2025年9月に採集したインテグラルクラゲの稚クラゲを飼育し成体にすることで世界初展示を行いました(過去のリンクはこちらから)。インテグラルクラゲをはじめとするオーキストーマクラゲ科のクラゲは、生活史がまだ分かっていません。加茂水族館のこれまでの調査・飼育観察により本種のポリプを取得することができました。今後はポリプからクラゲを遊離する条件を解明し生活史を明らかにしていきます。将来的には繁殖したインテグラルクラゲを見ていただけるようにしていきます。

 

 

 

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