ギネス記録登録の事


ギネス記録に申請してみようかなと考えるようになったのは、平成16年ごろからだった。初めは「館長歴が世界一長い」ことを申請しようと考えていた。それが常設している「クラゲの展示種類数」も、となったのは、平成17年の3月から始まった世界一の展示のせいだったと思う。

私が加茂水族館の館長に就任したのは弱冠27歳の若さの時だった。昭和の42年6月1日から突然「明日からお前が館長をやれ」と言われ、飛び上がるほどびっくりしたあの日がつい昨日のように思い出される。

鶴岡市が湯野浜温泉の裏山一帯を観光開発するという目的で、資本を募って会社を作ったが当面仕事もお金もない。ならば当時20万人以上の入館者があって繁盛していた加茂水族館を与え両方を満たす、という目的で水族館は簡単に売られてしまったのである。

買った会社が経営できないから飼育係もついて行けと言われ、込みで売られて、気が付けば館長以下主だった人は市に戻ってしまい私がいちばん年上だった。そのせいで若造に館長をやれと言うお鉢が回ってきたのだろう。

長い間に幾多の変遷があったが、館長だけはそのまま現在まで代わり映えしないままに続いている。聞くところによればアメリカのボストンの水族館の何とかという館長が37年間という記録を持っていて、それが世界一だとのこと。ならば私の方が8年も更新したことになる。

世間体を考える前に宣伝に使えるネタは何でも出し惜しみしないのが私の方針だ。ギネスに問い合わせてみたら「あなたの提案は少々専門的すぎる」との理由で館長歴の方は門前払いされた。そして残ったのが展示種類数の方だった。

手続きは結構厳格なもので、専門家二名による確認と書類にサインが必要となる、うまくしたもので12月27日にエチゼンクラゲの調査で下関水産大学校の上野先生と、京都大学の久保田先生が来てくれた。これをチャンスに、30種の確認をして申請の書類にサインをして頂いた。

手続きはこれで整った。あとは登録できたとの返事を待つだけである。おそらくは4月中には届くだろう。果報は寝て待てだ。桜の季節を待つことにする。

館長人情話

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